「グェント!!」
その場に崩れ落ちたグェントに駆け寄り、抱き起こす。
「グェント……」
「…て…くれ………」
グェントは目を瞑ったまま小さく唇を動かす。
その小さな声を聞き取ろうと耳を寄せた。
「殺してくれ…」
聞き取れたのは そんな言葉。
グェントの目がゆっくりと開かれる。
「いやだ!」
「……………」
俺の横から手を伸ばし、グェントの額に手を当てた貴一さん。
咄嗟に腕を振り払う。
「ルリス」
「嫌だ!」
俺の名前を呼んだ貴一さんを睨みつける。
「グェントを殺さないで!!」
すると貴一さんは顔をしかめた。

パンッと、乾いた音が響く。

その後のことは、俺の記憶には残っていない。

<<前へ ■ 次へ>>