「和乃さま!」
「出るな!」
車外に出た和乃は、自分のもとへ来ようとドアを開けかけたフォ・コアを強い口調で制止する。
気迫のあるその声にフォ・コアは驚いてびくっと飛び上がった。
「あなたたちの目的を聞きましょうか」
柔らかい声色に戻るが、その鋭い眼差しは僅かな変化も見逃さぬよう正面に集う半獣型スヴェルに向けられている。
「貴様に用はない 車の中の少女を出してもらおうか」
狼の口が大きく開き、低い声が発せられる。
「(やはりフォ・コアが狙いか)」
和乃は刀の柄を握り直し、じりっと足元に力を込める。
「断る」
「貴様に用はないと言っている
黙ってガキを渡せ!!」
中央に居た男が力強く右手を突き出すと同時に茂みの中から飛び出してきた狼が一斉に和乃に襲い掛かる!
「きゃあっ!」

和乃が手に力を込め、刀を振り上げた


狼どもが和乃の足元に崩れ落ち、泡を吹きながらびくびくと痙攣を起こす。
血は一滴も落ちていない
「子供の前で血なまぐさい真似はやめましょう
…私もそれほど気は長くありませんよ」



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