「死亡者は情報収集班Dチーム班長リド・マッグ
同じく班員のイツハ・スピニー、ジョン・ウォーキー
そして同行していた訓練期間中のオルガヌ・ハイマンの計4名です」
「犯人は」
「確認できていません
ただし現場には4名の遺体のほか高濃度の銀の波動が検出され
大量の灰と一人分の衣類、悪魔のものと思われる血液が残されていました」
隊長室で報告を聞いていた隊長は無表情のまま報告書を読み上げる隊員…ゼンさんを見つめる。
「悪魔」
「…相討ちだったのではないかと」
「なら良いのですが」
「………」
「お疲れ様でした 詳しい報告は後日書類で提出してください
情報収集班総長への報告と欠員の補充も怠らないように」
黙ったゼンさんに向けて隊長は淡々と指示を出す。
ゼンさんは拳を強く握り締め、俯いて唇を噛む
「…それだけですか」
「ええ」
「自分の部下が四人も死んだのにそれだけですか」
「はい」
「…どうして」
顔を上げたゼンさんの瞳から涙が零れ落ちる。
「オルガヌとは、いくつも約束してたんですよね
あいつ、誕生日とか、訓練とか、すごく楽しみにしてて
…あなたが職務を終えて国に帰ったら友達になるんだって 嬉しそうに話してたんですよ
それなのに」
「同情して涙を流した所で何の解決にもならないからです
死者を敬う事は私の職務ではありません」




「くそ…ッ!」
ゼンさんが去った後 隊長は机の上にあったものをなぎ払い、拳を机に叩きつける。

「………ごめんなさい…」




<<前へ ■ 次へ>>